試料燃焼装置(前処理)
PFAS類の有機ふっ素(AOF)分析
燃焼イオンクロマトグラフ(C-IC)用前処理装置 AQF-5000H
PFAS類の有機ふっ素(AOF)分析の高速スクリーニングが可能!
自動試料燃焼装置AQF-5000Hと吸着装置TXA-04を使用することにより、有機ふっ素化合物の総量をスクリーニングすることができます。
世界的動向 PFAS(PFOS・PFOA)
耐水性や耐火性を高めるために、一般的な家庭用品に大量に使用されている有機ふっ素化合物の総称です。疎水性(水をはじく性質)と疎油性(油をはじく性質)の両方の性質を持った優れた物質ですが、難分解性物質かつ、難揮発性物質であることからストックホルム条約で規制されております。
自然環境では容易に分解しないため土壌や水に留まります。また、動物の体内に生物蓄積する可能性(「持続性」)があると指摘されてます。
PFASは過去に様々な用途に使われていましたが、現在では、代替品の無いエッチング剤の製造、半導体レジストの製造、業務用写真フィルムの製造などに使用されています。
PFAS類の分析
- PFAS化合物の分析方法には、GC-HRMS、LC-MS/MS、GC-TOFMS、LC-TOFMSなどがあります。
- 定量するには標準物質が必要であるが、ターゲットである化合物はすでに相当な数になっており、更に増えると予想されています。
- 一方、水中の 有機ふっ素化合物の総量を決定できるシンプルかつ信頼性の高い、高速スクリーニング技術が求められています。
- その方法としてAOFの分析方法の開発が進められています。
PFAS類の抽出
PFOA、PFOSなどのPFAS類の量を把握するためには、無機ふっ素化合物との分離が必要です。
AOF:Absorbable Organic Fluorine (吸着性有機ふっ素化合物)
水試料から有機ふっ素化合物を取り出す ⇒ 活性炭、合成吸着剤などを利用
EOF:Extractable Organic fluorine (抽出性有機ふっ素化合物)
水試料から有機ふっ素化合物を取り出す
固体試料から有機ふっ素化合物を取り出す(土壌、廃棄物、ポリマー)
PFAS類の抽出

AOFの測定について
試料から有機ふっ素化合物を吸着剤で回収し、燃焼-イオンクロマトグラフィーで全ふっ素を測定します。
有機ふっ素化合物の吸着回収
Column method:活性炭充填カラムに試料を通液して吸着させます。
活性炭が充填されたカラムへ試料を通液・吸着し、硝酸塩水溶液で洗浄することができます。
プリパックドカラムを2本連結使用し、内部の活性炭を燃焼-イオンクロマトグラフで測定

AQF-5000Hを用いたPFAS類のスクリーニング分析
環境水中の PFAS 類の分析には LC-MS/MS を用いることが一般的ですが、PFAS分解物や派生物質を含めたスクリーニング分析においては有機性のふっ素化合物を活性炭に吸着させるAOF分析が有
効です。
環境水中の AOF は、吸着装置 TXA-04 を用いて前処理を行い、自動試料燃焼装置 AQF-5000H とイオンクロマトグラフ(IC)を組み合わせた燃焼-イオンクロマトグラフィー(CIC)により、簡便、迅速、かつ正確に測定することができます。